交通事故による『高次脳機能障害』は弁護士法人心まで

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高齢者における高次脳機能障害の注意点

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年1月19日

1 どのような注意点があるのか

高齢者が交通事故に遭い、高次脳機能障害となった場合、せん妄状態や認知症と間違えられやすく、相手方保険会社から「高次脳機能障害と事故との因果関係がない」「既往症が影響している」などと主張されることがあります。

そのため、高次脳機能障害とせん妄・認知症の違いを見極めることが重要です。

2 高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の典型的な症状は、以下のようなものです。

①認知障害

  • ・新しいことを覚えられない
  • ・注意、集中ができない
  • ・行動を計画して実行することができない

②行動障害

  • ・周囲の状況に合わせた適切な行動ができない
  • ・複数のことを同時に処理することができない
  • ・話が回りくどく要点を相手に伝えることができない

③人格変化

  • ・過食、大声を出す等、自己抑制がきかなくなる
  • ・ちょっとしたことで感情が変わる
  • ・攻撃的な言動が増える

3 高次脳機能障害とせん妄の違い

せん妄は、薬剤、炎症、手術等、身体的な負担がかかったときに、急性に脳の機能が低下する状態です。

せん妄は、入院中の高齢者に多くみられ、特に認知症を合併している方は、発症しやすいといわれています。

せん妄によくみられる症状としては、時間や場所が分からなくなったり(見当識障害)、見えないものを見えるといったり(幻視)、つじつまの合わない話をしたり(認知障害)、昼夜が逆転する等があります。

高次脳機能障害とせん妄の違いを見極めるポイントは、症状の変動です。

高次脳機能障害の症状は、あまり変動しません。

せん妄は、急激に発症することが多く、症状が変動する(1日のなかでも変わる)という特徴があります。

また、せん妄の原因を取り除くことで急激に改善します。

4 高次脳機能障害と認知症の違い

認知症は、加齢や脳血管障害等が原因となって脳の神経細胞の働きが低下し、日常生活に支障をきたした状態です。

年齢を重ねるほど発症する可能性が高まります。

認知症の症状は、記憶障害(覚えられない、時間や場所の感覚が分からない)、理解・判断力の低下、実行機能の低下(計画を立てて実行できない)、社会的認知障害(他人に共感したり同情できない)、大声を出す、暴れる等です。

高次脳機能障害と認知症の違いを見極めるポイントは、症状の経時的な変化です。

高次脳機能障害は、受傷時から改善することはありますが、症状固定と診断されたら、悪化することはありません。

認知症は、時間の経過とともに悪化していくという特徴があります。

5 弁護士への相談はできる限り早い段階がおすすめ

そもそも高次脳機能障害は、外見上は目立たず、本人(被害者)自身が障害を認識できないこともあり、周囲から理解されにくいため、見過ごされやすい障害です。

さらに、高齢者の場合は、せん妄や認知症と間違われるリスクも加わるため、ご家族、ソーシャルワーカー等、被害者と共に過ごしている方が被害者の言動を注意深く観察し、事故の前後の言動や性格の変化を記録し、主治医や看護師に詳細を伝えることが重要です。

高次脳機能障害の疑いがある場合の対応についてはこちらもご覧ください。

早い段階から適切な対応を行ったり証拠を残しておいたりしないと、後々、手遅れになってしまう可能性があります。

高次脳機能障害でお悩みの方は、できる限りお早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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