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高次脳機能障害と介護保険上の要介護認定

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年2月17日

1 介護保険上の要介護認定が受けられる場合があります

高次脳機能障害が残った場合は、自賠責保険に対する後遺障害申請や、加害者あるいは加害者保険会社への損害賠償請求だけではなく、市区町村が運営する介護保険上の保護を受けることも重要です。

今回は、介護保険上の要介護認定や要支援認定についてご紹介します。

介護保険制度は、要介護状態(障害により、食事や排せつその他の日常生活上の基本的動作について介護を必要とする状態)や、要支援状態(介護までは必要でないものの一定のサポート(支援)を必要とする状態)となった場合、一定の介護・支援等のサービスを受けることができる制度です。

このサービスを受けるためには、介護保険制度において定められた介護等級の認定を受ける必要があります。

介護等級は介護の必要性の度合いに応じて設定されています。

介護保険上の等級は、要支援1~2、要介護1~5に分類され、要支援1が最も軽く、要介護5が最も重い等級となっています。

2 要介護認定の流れ

⑴ 相談・申請窓口

申請先は、基本的に、対象者が居住する市区町村の窓口(介護保険課等)です。

申請はご本人、家族が申請できるほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者(ケアマネージャー等)が申請を代行することもできます。

⑵ 審査機関

対象者の方が要介護状態や要支援状態にあるか否かや、要介護または要支援の状態の程度についての認定(要介護認定)は、各市町村が運営する介護認定審査会において行われます。

⑶ 審査の流れ

要介護認定のプロセスは、概ね次のとおりです。

まず、市町村の認定調査員(委託を受けたケアマネージャー等)が対象者に対する状況調査(認定調査)を行い、主治医による主治医意見書が作成されます。

この、調査結果及び主治医意見書に基づいてコンピュータ判定(一次判定)が行われます。

一次判定が終わると、保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会によって、一次判定結果や主治医意見書等に基づき審査判定(二次判定)が行われ、要支援ないし要介護の認定がなされることになります。

3 要介護認定と自賠責保険の後遺障害等級認定との関係

高次脳機能障害が残り、介護が必要と判断される場合は、通常は、自賠責保険上も後遺障害等級が認定されます。

もっとも、介護保険上の要支援・要介護状態と自賠責保険上の後遺障害等級は必ずしも連動するものではありません。

介護保険上、要介護や要支援の認定がなされたからと言って、必ずしも自賠責保険上も同程度の後遺障害等級が認定されるというわけではありません。

逆に、交通事故により高次脳機能障害が残り、自賠責保険において後遺障害が認定されたとしても、必ずしも介護保険上の要支援・要介護の認定がなされるとは限りません(そもそも、介護保険における要支援・要介護の認定がなされ得るのは、40歳に達して介護保険に加入したときからですので、交通事故により高次脳機能障害が残り、要介護・要支援状態になったとしても、年齢が40歳に達していなければ介護保険上の要介護認定を受けられません。)。

もっとも、事故に遭って高次脳機能障害が残り、自賠責保険における後遺障害等級上、自賠責保険後遺障害表別表第1の1級(常に介護を要する状態)や2級(随時介護を要する状態)が認定される状態の場合、介護保険上も要介護状態にあると判断される可能性が高い傾向にあります。

そこで、交通事故に遭い、介護等を要する高次脳機能障害が残ってしまった場合は、主治医やケアマネージャーの方とも相談し、介護保険上の要介護申請も行うことをおすすめいたします。

当法人では、高次脳機能障害が残った被害者の方へ、高次脳機能障害に強い弁護士から、賠償金の点のみに留まらず、様々なアドバイスをさせていただきますので、是非一度、ご相談ください。

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