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高次脳機能障害による第7級の後遺障害認定を受けた場合の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益

  • 文責:弁護士 森田清則
  • 最終更新日:2026年2月2日

1 後遺障害が認定されると

後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が認められることが一般的です。

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことによって被る精神的苦痛に対する賠償金であり、後遺障害逸失利益は、後遺障害が無かったならば得られたであろう収入等の利益に対する賠償金です。

2 高次脳機能障害による第7級の後遺障害慰謝料

⑴ 自賠責基準・任意保険会社基準

自賠責保険会社は、高次脳機能障害により第7級の後遺障害等級を認定すると、後遺障害慰謝料として419万円(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)を支払います。

また、加害者が加入する任意保険会社は、被害者が弁護士に依頼していない場合、自賠責基準と同額の後遺障害慰謝料を提示することが多くあります。

⑵ 弁護士基準・裁判基準

弁護士は、後遺障害により第7級の後遺障害等級が認定されると、赤い本(公益社団法人日弁連交通事故相談センター東京支部発行の「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」)を参照し、原則として、後遺障害慰謝料として1000万円を請求します。

ただし、赤い本の金額は、目安であり、事故態様、高次脳機能障害の内容、程度、その他の障害の有無、内容、程度等により増減されることがあります。

⑶ 裁判例

例えば、大阪地判令和元年11月7日は、高次脳機能障害で後遺障害第7級の認定を受けた被害者について、「仕事中に頼まれたことを忘れる、新しいことが覚えられない、常に道に迷う、人との意思疎通が上手に行えない、些細なことですぐ怒る、頭痛等の症状が残存したこと」「飲食店での勤務は続けられているが、他方で、注文された飲み物を客に持って行くのをたびたび忘れる、道によく迷う、理解力が乏しくなり合理的判断ができなくなっていること」等の事情に照らし、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができない」と認定し、「このような後遺障害の内容、程度に照らすと、後遺障害慰謝料としては、1030万0000円を認めるのが相当である。」と判示しました。

3 高次脳機能障害による第7級の後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益は、一時金賠償の場合、通常、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算します。

「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」として後遺障害等級第7級が認定された場合、基本的には、56%の労働能力喪失率が認められます。

たとえば、令和2年4月1日以降に発生した事故で、基礎収入が500万円の給与所得者、後遺障害等級第7級、症状固定時の年齢49歳の男性の場合、一般的には、500万円×56%(後遺障害等級第7級相当の労働能力喪失率)×労働能力喪失期間18年(就労可能年数67年-症状固定時の年齢49歳)に対応するライプニッツ係数13.7535(なお、令和2年3月31日以前の事故の場合、基本的に、18年に対応するライプニッツ係数は11.6896になります。)=3850万9800円になります(事案の内容等によって金額が変わる場合はあります)。

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