「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報
高次脳機能障害による第5級の後遺障害認定を受けた場合の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益
1 後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益
後遺障害が認定されると、後遺障害が残ったことの精神的苦痛を賠償するための「後遺障害慰謝料」と、後遺障害が残らなければ得られたはずの利益を賠償するための「後遺障害逸失利益」を請求することができます。
以下では、高次脳機能障害により第5級の後遺障害認定を受けた場合の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益それぞれの賠償額について、解説いたします。
2 後遺障害慰謝料
⑴ 自賠責基準・任意保険会社基準
自賠責保険会社は、高次脳機能障害により第5級の後遺障害等級を認定すると、後遺障害慰謝料として618万円(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)を支払います。
618万円は、被害者に最低限度の補償を行うことを目的とする自賠責保険制度において予め定められた金額です。
この金額を、いわゆる「自賠責基準」といいます。
また、加害者側の任意保険会社は、被害者が弁護士に依頼していない案件であれば、自賠責基準と同額の後遺障害慰謝料を提示することが多いです。
⑵ 弁護士基準・裁判基準
他方、弁護士は、高次脳機能障害により第5級の後遺障害等級が認定された場合、原則として、後遺障害慰謝料として1400万円を請求します。
弁護士が請求したり、裁判官が認定する慰謝料の金額を、いわゆる「弁護士基準」「裁判基準」といいます。
さらに、被害者の置かれた個別・具体的な事情によって、より高額の慰謝料が認められることもあります。
例えば、平成19年12月7日名古屋地方裁判所判決は、高次脳機能障害により第5級の後遺障害等級の認定を受けたケースにおいて、以下のように判示しました。
「頭部外傷後の症状については、診療医からの「日常生活動作検査表」において、屋内歩行は可能とされ、神経心理学的テストの長谷川式簡易知能評価スケールでの異常は認められないが、後遺障害診断書上、自覚症状欄に「頭重感、歩行障害、構音障害、書字困難、傾眠がち」等とされ、診療医からの「脳外傷による精神症状等についての具体的な所見」上、「物忘れ,新しい事を覚える気がしない。集中して物事を取り組めない。傾眠がちで昼間でも眠ってしまう。」と記載されており、また、家族からの「日常生活状況報告書」においても「入浴、食事は忘れてしまう。頭が痛いからと言って1日中寝ていることがある。すぐ怒る」等とあることから、物忘れや自発性の低下の症状が窺える。(中略)前記後遺障害の内容、程度に加え、原告はかかる後遺障害によって、精神的、肉体的に極めて甚大な苦痛を被ったものと認められることに鑑み,後遺障害による慰謝料としては、原告主張の1500万円をもって相当と認める。」
3 後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益は、「被害者の基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」によって算出します。
例えば、令和2年4月1日以降に発生した事故で、事故前年度の給与額が800万円の給与所得者、後遺障害等級第5級、症状固定時の年齢45歳の方の場合、一般的には、800万円×79%(後遺障害等級第5級相当の労働能力喪失率)×労働能力喪失期間22年(就労可能年数67年-症状固定時の年齢45歳)に対応するライプニッツ係数15.937=1億0072万1840円になります。
後遺障害逸失利益の計算方法についてはこちらでもご説明しています。
計算式が決まっていても、例えば、被害者が、専業主婦、個人事業主、児童・学生の場合に基礎収入をいくらとすべきか、被害者が無職や高齢の場合に逸失利益が発生するか等、後遺障害逸失利益は、加害者側と熾烈に争われるケースも少なくありません。
4 少しでもお悩みの方は弁護士にご相談ください
このように、高次脳機能障害による第5級の後遺障害認定を受けた場合、弁護士が、後遺障害慰謝料及び後遺障害逸失利益を計算し、相手方と交渉することにより、適切な賠償金を獲得する可能性が高くなります。
高次脳機能障害による第5級の後遺障害認定を受けた被害者やご家族は、一度弁護士にご相談ください。
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