「高次脳機能障害の損害賠償金(示談金)」に関するお役立ち情報
高次脳機能障害による第1級の後遺障害認定を受けた場合の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益
1 後遺障害慰謝料
⑴ 後遺障害慰謝料の算出基準
自賠責保険会社、任意保険会社、裁判所は、それぞれ後遺障害慰謝料を算出するにあたって一応の目安ともいうべき基準をもっています。
加害者の任意保険会社の多くは、自賠責保険会社が定める算出基準(自賠責基準)に従って、後遺障害慰謝料を算出します。
これに対し、弁護士は、裁判所が用いる算出基準(裁判基準)に従って、後遺障害慰謝料を算出します。
後遺障害慰謝料は、通常、自賠責基準より裁判基準のほうが高額となります。
⑵ 自賠責基準の後遺障害慰謝料
自賠責基準は、高次脳機能障害第1級に該当する場合の後遺障害慰謝料を1650万円と定めています(自動車損害賠償保障法施行令2条の別表第一、自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準)。
⑶ 裁判基準の後遺障害慰謝料
裁判所は、過去の裁判例を目安に後遺障害慰謝料を認定することが多く、高次脳機能障害第1級に該当する場合の後遺障害慰謝料の目安は2800万円です(赤い本「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025年版」日弁連交通事故センター東京支部編)。
2 後遺障害逸失利益
⑴ 後遺障害逸失利益の算出方法
後遺障害逸失利益は、「①基礎収入×②労働能力喪失率×③労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」により算出されます。
そのため、①基礎収入が高ければ高いほど、②労働能力喪失率が高ければ高いほど、③労働能力喪失期間が長ければ長いほど、賠償金額は大きくなります。
⑵ 高次脳機能障害第1級に該当する場合の後遺障害逸失利益
高次脳機能障害第1級に該当する場合は、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として、終生、常に介護を要する状態ですから、一生働くことができません。
そのため、②労働能力喪失率は100%、③労働能力喪失期間は原則として症状固定時から67歳(就労可能年数)までの期間です。
例えば、事故前年度の年収が700万円の給与所得者、症状固定時の年齢が42歳の場合、①700万円×②100%×③25年(67歳-42歳)に対応するライプニッツ係数17.4131(なお、令和2年3月31日以前の事故の場合、25年に対応するライプニッツ係数は14.0939です)=1億2189万1700円です。
⑶ 自賠責基準の後遺障害逸失利益
自賠責基準は、高次脳機能障害第1級に該当する場合の保険金額の上限を4000万円と定めています(自動車損害賠償保障法施行令2条の別表第一、自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準)。
4000万円は、後遺障害逸失利益と後遺障害慰謝料(1650万円)を合計した金額ですから、上記⑵の例であっても、自賠責基準の後遺障害逸失利益は、2350万円(4000万円-1650万円)にとどまります。
3 高次脳機能障害第1級が認定された場合は当法人にご相談ください
後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益は、自賠責基準と裁判基準とで大きな差があり、とりわけ高次脳機能障害第1級という重度の後遺障害が認定された場合、その差はより大きくなります。
高次脳機能障害第1級が認定される場合は、後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益の他にも、付添費用(入院付添費、通院付添費、自宅付添費)、将来介護費、家屋改造費等が発生することもあります。
適切な賠償金を受け取るためにも、高次脳機能障害を得意とする弁護士法人心にご相談ください。
高次脳機能障害において自賠責の認定した等級より重い労働能力喪失率が認められるケース 高次脳機能障害による第2級の後遺障害認定を受けた場合の後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益



















