交通事故による『高次脳機能障害』は弁護士法人心まで

「高次脳機能障害の後遺障害」に関するQ&A

高次脳機能障害に伴い嗅覚障害(後遺障害12級)が残った主婦ですが、何か気を付けるべき点はありますか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2021年2月9日

1 主婦の嗅覚障害に関する後遺障害逸失利益に注意

職種によっては嗅覚障害が仕事に対して影響を及ぼすことがないことも多いです。

そのため、職種によっては、嗅覚障害の後遺障害が認定された場合であっても、後遺障害逸失利益が否定されることが多いです。

もっとも、主婦の場合には、嗅覚障害が家事を行う上で大きな影響を与えるため、主婦の嗅覚障害に関する後遺障害逸失利益は、通常の労働能力喪失率が認められることがありえます。

2 主婦における後遺障害逸失利益の計算方法

一時金賠償の場合、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で計算することが多いです。

⑴ 主婦における基礎収入

主婦の場合には、女性の全年齢の平均賃金を参考にして基礎収入を算定することが多いです。

なお、令和元年(平成31年)の女性の全年齢の平均賃金は388万円です。

⑵ 労働能力喪失率

基本的には、後遺障害等級によって労働能力喪失率が異なります。

12級の場合には、14%の労働能力喪失率が認定されることが多いです。

もっとも、後遺障害の内容、職種、仕事内容、など様々な要素を総合的に考慮して判断されるため、上記労働能力喪失率と異なることもあります。

嗅覚障害においては、職種によっては、労働能力の喪失が無いと判断されることもありますが、前記のとおり、主婦の場合には、労働能力の喪失が認められることがあります。

実際、東京地裁平成25年5月27日判決においても、嗅覚障害による逸失利益が認められています。

⑶ 労働能力喪失期間

症状固定時の年齢から67歳までの期間が労働能力喪失期間になることが一般的です。

もっとも、症状固定時の年齢から67歳までの期間が平均余命の半分より短くなる場合、労働能力喪失期間を平均余命の半分とすることがあります。

⑷ 計算例

たとえば、令和2年4月1日以降の事故に遭った主婦(症状固定時の年齢が44歳)の方で嗅覚障害による12級の後遺障害が認定された場合の逸失利益(基礎収入は令和元年の女性全年齢平均388万円・労働能力喪失率14%で計算します。)は、388万円×14%×労働能力喪失期間23年に対応するライプニッツ係数16.4436=893万2164円(四捨五入)になります(事案の内容などによって金額が変動する可能性があります)。

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